30代エンジニアが健康に投資し始めた話
20代のころ、健康なんて考えたことがなかった。
深夜までコードを書いて、コンビニ飯で凌いで、運動は一切なし。「体が資本」という言葉を頭では知っていたが、自分に関係あるとは思っていなかった。
30歳を過ぎたあたりから、体がはっきりとサインを出し始めた。
気づいたら「ガタがきていた」
最初に気づいたのは、目の疲れが取れなくなったことだった。以前は一晩寝れば回復していたのに、朝起きても重さが残る感覚が続くようになった。
次に、肩と首だ。在宅ワークになってから特に悪化した。オフィスにいれば移動やちょっとした立ち話で体を動かす機会があったが、在宅では椅子から動かない時間が増えた。気づいたら午後になっても朝から一度も立っていない、という日があった。
そして集中力の低下。以前は4〜5時間平気でコードを書き続けられたのに、2時間も経つと思考が散漫になる。これが一番仕事に響いた。
妻の闘病も関係している
妻が体調を崩したとき、「健康は当たり前ではない」ということを実感した。
自分が元気でいることは、妻のそばにいることにも繋がる。いざというときに動けない自分でいてはいけない、という感覚が芽生えた。それが健康への向き合い方を変えるきっかけの一つだった。
変えたこと:運動編
まず取り組んだのは、毎朝15分の散歩だ。
大したことではない。でも、在宅ワーカーにとって「朝、外に出る」というのは、思っている以上に難しい。スニーカーを履いて外に出るだけで、気持ちが切り替わる。
ランニングや筋トレは長続きしなかったが、散歩だけは習慣にできた。「続けられるもの」を選ぶことが大事だと学んだ。
それから、デスクワーク中に1時間に1回立ち上がるルールを作った。タイマーをセットして、立ち上がったらその場で30秒ストレッチする。バカにできないくらい、これで肩こりが改善した。
変えたこと:食事編
コンビニ飯を完全にやめることはできないが、意識的に野菜を摂るようにした。
妻の影響もあり、一緒に食事を作る機会が増えた。外食より自炊の方が栄養バランスを取りやすいし、なにより気分転換になる。在宅ワーカーにとって「台所に立つ」という行為は、仕事と生活の切れ目を作ってくれる。
糖質の量も少し意識するようになった。昼にしっかり食べすぎると午後に眠くなる経験を繰り返して、「白米を少し減らして野菜を増やす」というシンプルな対処が効果的だと気づいた。
変えたこと:睡眠編
深夜まで作業するのをやめた。
以前は「夜が一番集中できる」と信じていた。でも、それは「周囲の刺激が少ないから仕方なく集中している」だけで、翌日のパフォーマンスが下がっていた。
今は23時には仕事を切り上げるルールを作っている。守れない日もあるが、「その日の深夜作業で得られるもの」と「翌日の集中力低下で失うもの」を天秤にかけると、やめた方が明らかに得だ。
健康への投資は「生産性への投資」
エンジニアの仕事は頭が資本だ。
体が疲れていると思考力が落ちる。思考力が落ちると、品質の低いコードを書く。品質の低いコードはデバッグに時間がかかる。結果、生産性が下がる。
健康に時間とお金をかけることは、サボりではなく投資だ。30代になってやっとそう思えるようになった。
運動、食事、睡眠。地味で当たり前のことばかりだが、これを積み重ねることでエンジニアとしての寿命も、仕事の質も変わってくると、今は信じている。
健康を後回しにしていた20代の自分に、今から言ってあげたい。「もう少し早く気づけばよかった」と。