求人原稿の法令チェック機能を実装した話
求人原稿の法令チェック機能を実装した話
求人原稿には職業安定法という厳格なルールがある。これを守らないと、労働局から指導が入ったり、求人サイトに掲載拒否されることもある。
AIで求人原稿を改善するツールを作る以上、法令チェックは絶対に外せない。
職業安定法で守るべき17項目
求人原稿に必ず明示しなければならない項目がこちら:
- 業務内容
- 契約期間
- 試用期間
- 就業場所
- 就業時間
- 休憩時間
- 休日
- 時間外労働
- 賃金(基本給・手当)
- 賃金形態(月給・時給等)
- 賃金締切日・支払日
- 昇給
- 加入保険(雇用・労災・健保・厚年)
- 募集者の氏名または名称
- 雇用形態(正社員・契約社員等)
- 受動喫煙対策
- 裁量労働制の場合の明記
これらが1つでも欠けていると、減点対象になる。
実装の難しさ
1. 曖昧な表現の判定
「給与:当社規定による」みたいな書き方はNG。でもAIに「これは曖昧か?」を判定させるのは意外と難しい。
最終的には、具体的なパターンマッチング + AI判定の併用で対応した。
// src/lib/legal/rules.ts
const vaguePatterns = [
/当社規定/,
/別途協議/,
/面談時に説明/,
/応相談/
];
2. 年齢・性別制限の検出
「若い方歓迎」「女性活躍中」みたいな表現は、間接的な差別表現としてアウト。
正規表現で検出しつつ、AIに文脈判定させる2段構え。
const ageGenderPatterns = [
/若[いめ手]/,
/[男女]性(活躍|歓迎|多数)/,
/20代-30代/
];
3. 最低賃金チェック
都道府県ごとに最低賃金が違うので、求人の勤務地と時給を照合する必要がある。
外部APIで最新の最低賃金を取得して、リアルタイムチェックする仕組みを組み込んだ。
スコアリングへの反映
法令チェックは40点満点(全体の100点中)。
| 項目 | 配点 |
|---|---|
| 職業安定法17項目 | 30点 |
| 性別・年齢制限 | 5点 |
| 最低賃金違反 | 5点 |
法令遵守は一番重い評価軸にした。情報が充実していても、法令違反があれば台無しだから。
実際の運用で気づいたこと
誤検出が意外と多い
「若手社員も活躍中」→「若」で引っかかる、みたいなケース。
これは文脈判定のプロンプトを改善することで精度を上げた。
ユーザーが一番気にするのは「年齢・性別」
「最低賃金違反」はほぼ起こらないが、「女性活躍中」みたいな表現は無意識に使われがち。
このチェックを入れたことで、クライアントの意識改革にも貢献できた。
まとめ
法令チェックは地味だけど、信頼性の根幹。AIツールを作るなら、ドメイン知識とルールベースの組み合わせが大事。
タグ: #開発実績 #法令チェック #職業安定法