(更新: 2026.03.25)

求人原稿の法令チェック機能を実装した話

求人原稿の法令チェック機能を実装した話

求人原稿には職業安定法という厳格なルールがある。これを守らないと、労働局から指導が入ったり、求人サイトに掲載拒否されることもある。

AIで求人原稿を改善するツールを作る以上、法令チェックは絶対に外せない

職業安定法で守るべき17項目

求人原稿に必ず明示しなければならない項目がこちら:

  1. 業務内容
  2. 契約期間
  3. 試用期間
  4. 就業場所
  5. 就業時間
  6. 休憩時間
  7. 休日
  8. 時間外労働
  9. 賃金(基本給・手当)
  10. 賃金形態(月給・時給等)
  11. 賃金締切日・支払日
  12. 昇給
  13. 加入保険(雇用・労災・健保・厚年)
  14. 募集者の氏名または名称
  15. 雇用形態(正社員・契約社員等)
  16. 受動喫煙対策
  17. 裁量労働制の場合の明記

これらが1つでも欠けていると、減点対象になる。

実装の難しさ

1. 曖昧な表現の判定

「給与:当社規定による」みたいな書き方はNG。でもAIに「これは曖昧か?」を判定させるのは意外と難しい。

最終的には、具体的なパターンマッチング + AI判定の併用で対応した。

// src/lib/legal/rules.ts
const vaguePatterns = [
  /当社規定/,
  /別途協議/,
  /面談時に説明/,
  /応相談/
];

2. 年齢・性別制限の検出

「若い方歓迎」「女性活躍中」みたいな表現は、間接的な差別表現としてアウト。

正規表現で検出しつつ、AIに文脈判定させる2段構え。

const ageGenderPatterns = [
  /若[いめ手]/,
  /[男女]性(活躍|歓迎|多数)/,
  /20代-30代/
];

3. 最低賃金チェック

都道府県ごとに最低賃金が違うので、求人の勤務地と時給を照合する必要がある。

外部APIで最新の最低賃金を取得して、リアルタイムチェックする仕組みを組み込んだ。

スコアリングへの反映

法令チェックは40点満点(全体の100点中)。

項目 配点
職業安定法17項目 30点
性別・年齢制限 5点
最低賃金違反 5点

法令遵守は一番重い評価軸にした。情報が充実していても、法令違反があれば台無しだから。

実際の運用で気づいたこと

誤検出が意外と多い

「若手社員も活躍中」→「若」で引っかかる、みたいなケース。

これは文脈判定のプロンプトを改善することで精度を上げた。

ユーザーが一番気にするのは「年齢・性別」

「最低賃金違反」はほぼ起こらないが、「女性活躍中」みたいな表現は無意識に使われがち。

このチェックを入れたことで、クライアントの意識改革にも貢献できた。

まとめ

法令チェックは地味だけど、信頼性の根幹。AIツールを作るなら、ドメイン知識とルールベースの組み合わせが大事。

タグ: #開発実績 #法令チェック #職業安定法