Cursorを1ヶ月使ってわかったAI搭載エディタの実力と限界

Cursorを1ヶ月使ってわかったAI搭載エディタの実力と限界

「VS Codeよりいい」「GitHub Copilotより賢い」という評判を聞いて、Cursorを試してみた。1ヶ月間、個人開発と副業の案件で実際に使い続けた感想を正直に書く。

結論から言うと「すごく良いところと、まだ使えないところがはっきり分かれている」。

Cursorとは

VS CodeをフォークしてAI機能を深く統合したエディタ。VS Codeの拡張機能やショートカットはそのまま使える。

料金は:

  • 無料プラン:GPT-4oなど上位モデルを月50回まで
  • Proプラン:月20ドル(上位モデル無制限)
  • Proプランで使った。

    1ヶ月使い続けた感想:良かったところ

    Composer(マルチファイル編集)が圧倒的に便利

    Cursorの最大の強みはComposer(Cmd+I)。「このファイルとこのファイルを変更して」という指示を出すと、複数ファイルをまとめて編集してくれる。

    実際にやったこと:

    「UserモデルにeMailVerifiedAtフィールドを追加して、
    マイグレーション、シリアライザー、テストも合わせて更新して」

    これで4ファイルを同時に正しく編集してくれた。GitHub Copilotは基本的に今開いているファイルしか見ない。Cursorはコードベース全体を参照する。

    コードベースへの質問がチャットでできる

    Cmd+Lでチャットパネルが開く。「この関数はどこから呼ばれていますか」「このファイルの役割を説明して」という質問に、コードを参照しながら答えてくれる。

    新しいプロジェクトに入った時、コードの読み方を聞けるのが便利。ドキュメントがない古いコードベースでも助かる。

    インラインでの修正提案が速い

    エディタ内でCmd+Kを押すと、その場で「このコードを〇〇に変えて」という指示ができる。提案を受け入れるかキャンセルするかを選べる。

    ユニットテストを書いてもらう使い方が特にスムーズ。関数を選択してCmd+K → 「この関数のテストを書いて」で70%くらいの完成度のテストが出てくる。

    1ヶ月使い続けた感想:残念だったところ

    コンテキストが長いと精度が落ちる

    ファイル数が多いプロジェクトや、長い会話の後半になると提案の精度が落ちる。特にComposerで3ファイル以上を変更させると、後半のファイルで辻褄が合わない変更をすることがある。

    会話を「短く、明確に、1つのタスクずつ」にすると安定する。

    長い関数・クラスの全体像を見誤ることがある

    500行を超えるファイルになると、「全体の文脈を理解した上での提案」が弱くなる感覚がある。部分的に正しいが、別の部分に影響が出る変更をすることがあった。

    レビューを省略すると危ない。特に本番コードでは。

    日本語のコメントやコードとの相性

    英語のコードベースで使う方が精度が高い印象。日本語のコメントが多いコードや、日本語での指示の場合、英語と比べて提案の質が落ちることがあった。

    指示文は英語で書く方がいい結果が出ることが多い。

    オフライン作業には使えない

    当たり前だが、AI機能はすべてクラウドAPI経由。ネット環境がない場所では普通のVS Codeと同じになる。

    GitHubCopilotとの比較

    1ヶ月試してみた感覚では:

    | 機能 | Cursor | GitHub Copilot |

    |——|——–|—————-|

    | 補完(次の行を予測) | 同等 | 同等 |

    | 複数ファイル編集 | 優れている | 弱い |

    | コードベース質問 | 優れている | 使えるが精度低め |

    | VS Code拡張との互換 | 高い | 完全互換 |

    | 料金 | 月20ドル | 月10ドル(個人) |

    マルチファイル編集とコードベースへの質問を重視するならCursorが上。単純な補完だけならCopilotで十分。

    結論:使い続けるか

    Pro契約を継続する。理由はComposerだけで元が取れているから。

    3ファイルにまたがる変更を「自分で考えながら書く」時間と「Composerに書いてもらってレビューする」時間を比べると、後者が3〜4倍速い。レビューは省略できないが、それでも速い。

    ただし「AIが書いたコードをレビューせずにコミットする」のは危険。何も考えずに使うと質の低いコードが増える。自分でコードを読んで理解する習慣は維持した方がいい。

    まとめ

    Cursorの実力と限界:

    強み:

  • Composerによるマルチファイル編集
  • コードベース全体を参照したチャット
  • VS Code互換で乗り換えコストが低い
  • 限界:

  • 長い文脈・大きなファイルでは精度が落ちる
  • 日本語よりも英語の方が精度が出る
  • AIの提案を必ずレビューするコストがかかる
  • 月20ドルを高いと思うかは、自分がどれだけコードを書いているかによる。毎日8時間書いているなら、時給換算すると圧倒的にコスパが良い。